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岡崎京子ファンサイト「BIG BOREDOM in WWW」のイケダのブログ。

2.岡崎京子とリアル

日常と地続きである。作中の登場人物も我々と同じファストフードを利用し、我々と同じテレビを見て、我々と同じ音楽を聞き、我々と同じ本を読んでいる。
誰かの言いまわしや、気の利いた台詞を引用する日常。切り貼りによって成り立っている会話。


登場人物らはご飯も食べるし、トイレにもいくし、セックスもするし、オナニーもする。
従来の漫画では「物語の本質ではないから」と排除していた要素をあえて取り入れることにより、読者と地続きの日常を手に入れた。
商業漫画としてのお約束を放棄することで、他では得られないリアリティ。


三谷幸喜が「結婚式に出席した夫婦が帰宅して腰を下ろして"いいお式でしたね"と会話するのはうそ臭い。そんな会話は帰りの電車の中などで済ませているはずだ。」といった意味合いの発言をしていて、岡崎漫画のセックス描写には同様のリアリティの表現を感じる。