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岡崎京子ファンサイト「BIG BOREDOM in WWW」のイケダのブログ。

村上春樹アフターダーク」読了

読み終わりました。

今まで読んだどの村上春樹とも違う。高橋とマリの会話がベースで進んでいくシーケンスは村上春樹らしさを感じなくもない。いいとか悪いとか面白いとか面白くないとかでなく、今までと大きく違う、が感想。
誰かが(たしかはてなダイアリーで)「村上春樹岡崎京子してる」と書いていたけれど(id:yoru_hikaruさんでした。9月9日。)、それはたぶん、語り手(と読者)をカメラにして、尾行するかのような描写にその印象を重ねたのかしら?と思った。今までにない執拗な描写は、私は村上龍を思い出しました。あとは安野モヨコのプレイボーイ団地。特別何も起こらない。続く不穏な空気。直接的に血や暴力は描かれない。ただそれが含まれる世界であることが暗示される。
「書き下ろし長篇」というあおりだけど、これは短編。これを骨とした、もっと大きな物語はいずれ語られるのだろうな、と思った。いや、あるいは「総合小説」へのひとつの試みと見るべきなのかな。
映像的というか、脚本的に感じました。
ちょっと十分な時間を置いて再読します。変化そのものの方が印象が強すぎる。